ポンコツ夫のポンコツな嫁

人間としてポンコツな嫁(とその夫)がなんとか生きていくさまを綴ったブログ

会社が国税局の強制捜査にあった体験話

ポンコツ夫のポンコツな嫁@neutral_my_mind です。

わたし、以前いた会社が国税局の強制捜査に遭ったことがあります\(^o^)/

もちろんわたしは関係ないんですが。

結構貴重な体験だと思う

 

国税局の捜査には2種類ある

国税局の調査の90%は任意調査といって、納税者の同意を得るものがほとんどですが

社会的・経済的に影響のある大会社がやらかしたときよくニュースで流される、

全身黒尽くめのスーツ姿の人数十人でいきなり一斉におしかけて、ダンボール箱を次々と運び出す映像。

あれが残りの10%、いわゆる「マルサ」による強制的な捜査です会社が国税局の強制捜査にあった体験話

全身黒スーツの人たち数十人が一斉に押しかけるんだからびっくりしないわけないよね

そんなテレビの向こうのような話が、まさかわたしに降りかかるなんて夢にも思いませんでした。

 

強制調査というのは、裁判所から強制調査許可状を得て行われる調査で、納税者の同意は必要ありません。事前にある程度の脱税の情報があがっている納税者に対して、その脱税の全貌を暴くために裁判所が強制調査のゴーサインを出すわけです。強制調査の場合は一切が了解なしに行われ、時にはドアをぶち破られたり天井や床下を調べられたりもするのです。 この強制調査を担当するのがマルサなのです。 『国税局のガサ入れ調査が、「大企業」には入らない黒い理由』より引用

 

 

 

国税局は確実にシッポを掴むために入念に調査します

 

正確な時期は忘れましたが、強制捜査は2016年の2月ごろ。

それより1年以上前の2014年11月くらいに任意調査に入っていたのを覚えています。

任意調査がかならずあるかどうかはわかりませんが、税金のとりっぱぐれのないよう

短い期間に急成長した会社は目をつけるとのこと。

 

そこからアヤシイ会社には場合によっては2年以上もの調査期間を経て、あの強制捜査に踏み入るわけです。

もちろん確実にしょっぴくために、もっといえば国税局が入って無罪でしたでは通らないからです。

あと、他の納税者への見せしめ的な意味もあります。

脱税するとこうなるぞ的な。

 

強制捜査は納税義務者の家から親族の家から、同日同時刻に一斉に行う

その会社は社員総数30人程度の規模でしたが、後日聞いた話ではその日90人以上もの国税局員が動いたそうです。

会社の規模ではなく、脱税事件として悪質だったからだという判断でしょう。

関係拠点として

  • 事務所
  • 支社・支店
  • 店舗
  • 自宅
  • 親族の家
  • 海外拠点

など含めると9箇所くらいになるでしょうから、単純に1ヶ所10人体制ですね。

 

そして自分には無関係だと思っていたことが次々と起こった

朝、会社の入り口で黒尽くめのスーツ姿の人たちが待ち構えています。

少なくとも入り口の外に3人、中にも2人くらいいて、入るときに名前を聞かれたんですよね。

わたしより先に出勤した総務の人はたまたま普段から乗っているエスティマを玄関横付けにして停めたため、

重要人物と勘違いされ、長いことその場に拘束されたみたいです。

 

その日はずっとスーツの人たちがダンボール箱を持って出入りしてました。

捜索は数日におよび、初日には無関係な社員も机の中を全部調査。もちろんわたしの机も。

経理・総務の部屋の人は全員丸一日、外へ出してもらえなかったそうです。

 

そして気づいたら会社の外にはずっと三脚付きのカメラをこちらに向けた報道関係者と思しき人が数人うろうろしてました。

国税局か、逮捕状を出した裁判所かは不明ですが、報道機関に情報が渡されるということなので

情報は事前に入手されていたようです。

会社の中が伺い知れる窓などはすべてダンボールで目張りされていましたがその日の夕方には地元のテレビ放送でニュースになり、翌日には新聞記事になっていました。

 

経営者の不在と、社員の動揺は会社に大きな影を落とす

納税義務者(つまり経営者)は容疑者として拘束され、半年くらいは出てこなかったかな?保釈金が工面できなかったのでしょうか。

その後の判決までさらに1年くらいでしょうか、経営者は双極性障害とアルコール依存症を理由に正しい判断ができなかった、というのを言い訳にしたかったようですがそんな理由が通るはず有罪判決で罰金の支払い命令が下りました。

なにせ関係会社含めおよそ一億近くもの脱税です、額が額なので悪質と判断されたと推測できます。

 

罰金以外には本来払うべき税金に加え重加算税というペナルティが加わり、これも悪質度によって割合が変わります。

(参考サイト:節税と脱税の決定的な違い

このガサ入れの1年以上前の任意捜査のときから、正確にはもっと前から経営状況は芳しくなかったこともあって

会社の雰囲気はそれまでも低空飛行をつづけていましたが、この日からさらに雰囲気は悪くなりました。

 

少なくとも私は会社の利益になるよう頑張ろうというモチベーションはどっか行ってしまいました。

だって節税ではなく、脱税ですよ。

しかもそのお金が、事業資金と自分の豪邸を建てる資金に回っていたと聞けば当然です。

 

こうなれば会社なんてのは坂道を転がるようにカンタンに転落していきます。

本当にあっけなく、経営者一族はさらに保身に磨きがかかります。

判決が出てほどなくして、必要なお金がはっきりしたからでしょうか。

わたしも含め社員の大半は実質解雇を言い渡されたのでした〜。もちろん会社都合だけどね!