ポンコツ夫のポンコツな嫁

人間としてポンコツな嫁(とその夫)がなんとか生きていくさまを綴ったブログ

「好きなことして生きていく」のは覚悟が必要。凡人は得意なことで食っていこう。

こんにちは、仕事はそんなに好きじゃない米倉恵@yonekurakeiです。

 

みなさん好きなことだけで生きていきたいですか?

好きなことして生きる、がブームですね。こういう風潮は大歓迎です。好きなことで生きていけたらそれに越したことはないし、我慢する必要もありませんしね。

結論からいうと、好きなことだけで生きていくのは条件付きで可能です。

ところが残念なことに「好きなことをして生きる=幸せ」ではないんですよ。

 

就職や転職をして、好きなことを仕事にしたいと思っている。

そんなふうに少しでも思ったことがあるなら、少しぐらいは読む価値があるかもしれませんよ〜。

反対にたまたま好きなことと得意なことが一致している人はそっと離脱してくださいね。

 

 

好きなことだけで生きていく=幸せ?

よく好きなことを仕事にしたいって言いますよね。

好きなことで食っていけたら超ハッピーだと。そりゃそうです、好きなんだから。

 

けれどそれは好きであると同時に得意でもある、という条件付きです。

 

例えばわたしなら、Illustrator(イラストレーター)やPhotoshop(フォトショップ)というソフトを使い

パソコンを使ってチラシや新聞広告を作る仕事をしていて、それなりの評価をいただいてきました。

 

目的はモノを売るためなので、キャッチコピー、レイアウト、色、フォントなどの要素を組み合わせて、

少しでも目にとまるような工夫、そして目に止まった人をどう誘導するかを考えますが

その際必要な人を惹き付けるコピーから魅せ方までデザインのデの字も勉強したことはありません。

いわゆる「センス」一本でやってるようなところがあります。

あえて言えばIllustratorやPhotoshopの操作方法を勉強する学校に行ったことがあるくらいです。

 

 

しかしわたしは残念ながら、デザインにのめり込むほど好きではないんです。

好きじゃないことには情熱は注げません。三度の飯とデザインで言ったら三度の飯のほうが好きです。

 

「センス」だけでできる範囲しかやりたくないので、オフのときにまで有名な巨匠の展覧会見に行ったりとか

日頃からインプットを欠かさないとか、そういった努力も完全に怠っていますので

デザインのクオリティは正直なところ低いレベルでの頭打ちが長年続いています。

 

たまたま好きなことと得意なことが合致した人間が言うことには耳を貸さない

昔は好きなことと得意なことの区別がついておらず

デザイナーとして一生食っていくなら日頃のインプットは欠かせないと言われて、努力してみた時期もありました。

でも続かないですよ。好きじゃないんだから

 

成功者が成功したのは好きなことと得意なことが合致したからに他ならないのです。

 

好きなことだからある程度は頑張れるけど、得意じゃなかったらいつか心折れます。

 

それにデザインのセンスが最初からある人にとっては朝飯前のことを、デザインが好きなだけでからっきしセンスの無い人が追いつくのにいったいどれだけ努力すればいいか想像してみてください。

最初のスタートラインから相手はかなりアドバンテージを得ています。

 

その差をセンスのないあなたが埋めるのはいつか?

 

競馬用語で「ソラを使う」というのは、馬が遊びながら走ることをいいますが

G1レースをいくつも勝つような名馬は新馬戦や条件戦(デビューしたての馬や、勝ち上がれない馬が出るレース)を

騎手がムチを一回も振るうことなく、ソラを使ってまさしく遊びながら通過しているのです。

 

あなたが休日も返上してむちゃくちゃ仕事して死ぬ思いで努力してようやく1周するころには、

相手は休日を謳歌しデザイン以外のことも十分楽しんで、遊びながら走って3周くらい走り終えているわけです。

 

もし成功してる人が「私はデザインは好きではないがここまでやってきた」というならば、

それは最初からそのレベルのセンスがあったか、やりたくもないけど血ヘド吐いて努力し、ようやく上り詰めたかでしょう。

それだけ頑張れるだけでもう十分才能のような気はします。

 

 

 

大半の凡人は好きなことと得意なことを分けたほうが幸せになれる

 

任天堂の故・岩田聡(当時社長)の名言は有名です。

「好きじゃないけど得意なこともありますし、好きだけど、実はあんまり得意じゃないよっていうことも結構あって。だから、仕事というのは『得意なこと』をやった方がいいんです。好きだけど得意じゃないことに溺れると、仕事っておかしくなることが多いんです」

どのようにして自分の得意を見つけるかという質問には、

「自分の労力の割に周りの人がすごくありがたがってくれたり、喜んでくれたりすることが得意なことで、逆に自分としては努力して達成感があるのに、周りからの評価が芳しくないことは、自分は好きだったとしても実は不得意なことかもしれない」

とも語っているそうです。

 

要するに

「鼻クソほじったり、よそ見しながらでも周りをチギれるようなことを仕事にすると幸せになれるよ」

ということです。

逆に言うと「好きなことは(得意でない限り)仕事にするな」いうこと。

 

センスないのに好きだから死ぬ思いで努力して獲得したものには、盲目的にこだわるようになる。

なぜならそれを否定されるのが一番つらいから。

無用なこだわりは、仕事において致命的ともいえる。

頑張ったという想いが強ければ強いほど、認めてほしいという意識が働くから、人間関係にも悪影響を与えてしまう。

岩田社長が「おかしくなる」と言っているのはそういうことなのではと考えています。

 

もしあなたが運良く食っていけるほどの何かのセンスがあれば、

好きなことはまず脇においておきましょう。

そして、好きなことは完全に趣味やボランティアにしたほうが間違いなく精神衛生上好ましいです。

 

 

以上、得意なことを仕事にしようというお話でした。